患者様に協力を求めない矯正治療

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最初にお断りしますが、ブラッシングは別ですので、これは協力してください。

一般に、矯正治療は虫歯の治療と違って、患者さんに協力してもらわないとうまく行かない場面がよくあります
代表的なのが、ヘッドギヤーと言って写真のような装置です。
この装置を使う場面と言いますのは、例えば、前歯が出ているのでこれを直したいという時です。
この場合は大概、小臼歯を抜いて治療を進めます(図-A)。
なぜ小臼歯を抜くかと言いますと、出ている前歯は後ろに下げないといけませんが、大概の場合、下げるための隙間が歯列内にありませんので、その隙間を得るため小臼歯を左右1本ずつ抜くのです。
抜いた小臼歯の後ろ側の歯を支えにして、隙間に向かって前歯を後ろに移動します。
このとき、物理学の作用反作用の法則が現れます。
なるほど、前歯は確かに後ろに動いて行きますが、支えになっている臼歯は前に引っ張られ、前歯、臼歯お互いが動いて抜いた隙間がなくなっていきます

イメージとしまして、前歯、臼歯が抜いた隙間の半分ずつ会い寄って隙間が閉鎖されていくと考えて良いかと思います(図-B)。
少し前歯が出ているので、少し後ろに動かしたい場合はこれでいいのですが、大きく前に出ている場合はこれでは直りません。
ではどうするのでしょう。
このとき、ヘッドギヤーが必要になります
ヘッドギヤーを装着することにより、臼歯部に後ろ向きの力が作用することになり、長時間することにより臼歯部はあまり動かさず、前歯を大きく動かすことができます(図-C)。
小臼歯を抜いてまで治療するのであれば、図-Cのような結果が得られないと、損をしたような気がしませんか。
逆に、図-Cの結果を得るためにあえて小臼歯を抜くと言えます。
このときヘッドギヤーは1日何時間しないと効果が出ないのでしょうか。
1日12~14時間装着しないといけません。
さて、成人でそれだけできるでしょうか。
Noですね。
要求されても、現実問題できません
協力できないのが実情です。

そこで出てくるのが、anchor screw固定ねじです。
臼歯部の歯と歯の間に植立し、これを固定源にして前歯を後ろから牽引します(写真-2)。
こうすると臼歯部には力をかけず(臼歯部は動かず)に前歯だけ後ろにさげられます(図-C)。

ヘッドギヤーと言う面倒な(協力を必要とする)装置は使う必要なく、目的が達成されます
固定ねじを併用することにより

1ヘッドギヤーなどの口の外側に装着する装置は必要がなくなり、

2治療にかかる期間がほぼ予定どうりで、

3治療結果が確実に得られるという利点があります。

余談ですが、この固定ねじは大人の成熟した骨の方がしっかり安定して植立する特長もあります。 もちろん必要なくなれば簡単に除去できますし、後も残らず綺麗に治癒します。
このように当院では、患者さんにできるだけ協力を求めないような方法を採用して、予定通り進むよう配慮して治療を行っています。

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